講談・狂言・落語
京極噺(http://www.conversation.co.jp/schedule/koasa/)を観てきました。
初っ端は神田山陽さんの講談から。
活舌がいいのはもちろんのこと,観客をひとまとめに引っつかんで天高く放り投げるように笑わせる。
そらもうすごい快感でした。
ひとりででかけたのに天を仰いで大笑い。
目尻に涙浮かびっぱなし。
げらげらけたけた笑い通しでした。
巷説のシリーズの中の一話を講談に仕立てたそれは,いったいどこで落ちがつく?と固唾を呑んで聞き入ってしまった。
百助のキャラクタ違ったけれど,これはこれで面白かったのでよし。
次は茂山狂言。
ネタは死神。
死神役の茂山千五郎さんの衣装が洒落てた。
黄土色の地に継ぎ当てのように茶色が散ってるんだけど,正面の裾近くに黒猫がいて,目が赤く光るの。
背中には仏滅の文字。
頭には鼻緒の切れた下駄。
んもー,目が釘付け。
最後は春風亭小朝さんの落語。
端から端まで目も耳も釘付けになった。
面白い!!
元の噺を知っているにもかかわらず…違うこれが醍醐味なんだろなって。
最後に幕が下りるとき,ずーっとありがとうございますって頭を下げて云ってらした。
前から五列目にいたのでそれがありありと見えて,なんだか嬉しくなってしまって。
また観たい,また聴きたいと思わせる一席だった。
神田山陽さんが枕で話していたのだけれども楽屋には京極さんがいらしていたんだそうですね。
もしかしたら客席にも居たのかなあ。
落語を観に行く,狂言を観に行く,というよりも京極夏彦さんのアレンジしたそれぞれを観に行く,と思って出かけたほうが愉しめると思う。
わたし自身がべたべたの古典好きなのでそう思ったのかもしれないけれど。
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映画になったらどんなかな? と思う。
耳這刀を使う場面は…見物だろうなあ。
えんぴつほどの小さな刃物を,耳にすっと突っ込んでくきくきっと動かすと脳みそぐちゃぐちゃになるだそうですよ。(←描写ほとんどそのまま)
返り血も浴びない,悲鳴も上がらない。
バイオレンスちっくにはならないだろうか。
再読にもかかわらずぐいぐい引っ張り込まれて読み終わるまであっという間だった。
新刊の「原宿団地物語」はどんなだろう。
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自分の視点をどこに置くかが難しい本だと思う。
道ならぬ恋だから,というよりも,すごく危うい物語だから。
愉しもうと思ったら客観を捨てること。
文章に頭の天辺まで浸かりこんで,ひたすら目になって物語を紐解くこと,だとおもう。
途中浮上したり頭の端で余計なことを考えたりして,その都度舌打ちしながら集中しなおした。
しかし描写力はすごい。
端正な筆致。ああ幸せ。