小説/読了

螢坂
北森 鴻

講談社 2004-09-22
売り上げランキング 36,807

Amazonで詳しく見る
  by G-Tools
不調はいつだって突然やってくる。
巧妙に隠された落とし穴にはまり込むようにすとん,と落ちた。
やたらと心弱くなって,顔に当る風にすら眉を顰める始末。
顰めたって風は当る。無駄なのに,わかってるのに。


電車の中で開いた本はひとの死なないミステリだった。
死なない,というか殺されない。
そして十分に切なくて。
途中で閉じるのが惜しくて寄り道までした。
その頃には沈み込んだ気持ちも「おなかへった…」と情けない顔をするくらいまで復調。
ひとが死ななくて切ないだけじゃなくておいしそうな料理がたくさん出てくる本だった。